”FULL”
大きな湖のある町で育った。
たっぷりと穏やかな水をたたえた光景が 私たちの傍には、いつも広がっていた。
視界を阻む高いビルも、聳え立つ山もない、 広い空をそのまま写し込んだような淡いうみ。
いたいけな少女だった青い思い出の中で輝くうみは、 ここから先に続く、我が身の可能性を夢見たいろだった。
時がたち、子供を産んで母となって眺めたとき、 その淡さは、満ち足りた幸せのいろだと思えた。
青くまぶしい、けれど平凡であたたか。
この場所で育まれた記憶と、いま育んでいる日常の、 満ち足りた幸福を綴った、7枚の作品をカレンダーに。